一口にSSDと言っても、実は様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、主なSSDの種類とそれぞれの違いを解説します。
1. 接続インターフェースによる違い
SSDの性能に大きく影響するのが、データを転送するための接続インターフェースです。
a. SATA (Serial ATA)
- 特徴: 昔からHDDでも使われている汎用的なインターフェース。
- 速度: 理論値で最大600MB/s。現在主流のSSDの中では比較的低速です。
- 互換性: ほとんどのPCに対応しており、古いPCのHDDをSSDに換装する場合によく使われます。
b. NVMe (NVM Express)
- 特徴: PCIe (PCI Express) という高速なバスを利用するSSD専用の新しいインターフェース。
- 速度: 理論値で数GB/sと、SATA SSDに比べて格段に高速です。PCの起動や大容量ファイルの転送、ゲームのロード時間などが劇的に短縮されます。
- 互換性: NVMeに対応したM.2スロットが必要です。古いPCには搭載されていない場合があります。
2. フォームファクタ(形状)による違い
SSDには、PC内部への取り付け方に応じた様々な形状があります。
a. 2.5インチ
- 特徴: ノートPCやデスクトップPCのHDDと同じ2.5インチサイズ。SATA接続。
- 用途: HDDからの換装や、SATA接続の空きベイがあるPCに適しています。
- 互換性: ほとんどのPCケースやノートPCに搭載可能です。
b. M.2 (エムドットツー)
- 特徴: ガムスティックのような細長い基板状のSSD。PCのマザーボードに直接差し込んで固定します。
- 用途: 小型PCや薄型ノートPCによく採用されます。SATA接続とNVMe接続の両方がありますが、現在の主流はNVMe M.2 SSDです。
- 互換性: M.2スロットがマザーボードに搭載されている必要があります。長さがいくつか種類があるため、PCケースやマザーボードの対応サイズを確認しましょう。
c. AIC (Add-in-Card)
- 特徴: デスクトップPCのPCI Expressスロットに差し込む拡張カード型のSSD。
- 用途: サーバーやハイエンドなデスクトップPCで、非常に高い性能を求める場合に使われます。
- 互換性: PCIeスロットがあるデスクトップPCのみ対応。
3. その他の考慮点
a. TLC, QLC (NANDフラッシュメモリの種類)
- TLC (Triple-Level Cell): 1つのセルに3bitのデータを保存。バランスの取れた性能とコスト。現在の主流。
- QLC (Quad-Level Cell): 1つのセルに4bitのデータを保存。TLCよりも大容量化・低価格化が可能ですが、書き込み速度や耐久性が若干劣る傾向があります。
まとめ
- 速度を最優先するなら: NVMe接続のM.2 SSD
- 既存のHDDを交換するなら: SATA接続の2.5インチSSD
- 小型PCやノートPCなら: M.2 SSD(SATAまたはNVMe)
あなたのPCの物理的な空きスロットや、マザーボードが対応しているインターフェースを確認し、最適なSSDを選びましょう。
